お出かけレンタル 2024.12.13
日本は四季がはっきりとしており、その変化を楽しむ文化が深く根付いています。
その代表例が、季節による着物の色合わせや柄あわせです。
この記事では、季節ごとの着物の衣替えやコーディネートのポイントについてご紹介します。
目次
着物の衣替えは、季節に応じて快適に過ごせるよう工夫された日本独自の文化です。大きく分けて、
以下の3つの種類があります。
衣替えは中国から日本に伝わり、古くは平安時代に貴族を中心に広まったとされています。当時は旧暦が基本だったため、現在の暦とは多少のずれが生じています。
また、衣替えの基準は近畿地方の気候を元にしているといわれています。それは、かつて「都」がこの地にあったことが影響しています。
ただし、近畿地方から離れた九州や東北地方では、気候が大きく異なることは言うまでもありません。そのため、各エリアの気候や実際の気温に合わせて衣替えの時期を調整しないと、快適に過ごすことは難しいでしょう。
近年では、「衣替えは臨機応変に」という考え方が一般的になりつつあります。気温に合った快適な衣類を選ぶ人が増え、伝統的な衣替えの時期にこだわらない傾向があります。しかし、着物初心者にとっては、この「臨機応変」の加減が難しい場合もあります。
そのため、大まかな衣替えの時期を把握しておくことは、素材選びやコーディネートの目安として役立つ便利な知識となります。
着物の衣替えに合わせて、帯や小物も季節ごとに変える必要があります。これは、見た目の季節感を演出するだけでなく、素材やデザインが季節ごとの快適さを提供するためです。以下は季節ごとに変えるべき主なアイテムです。
たとえば、夏には涼しげな絽や紗の素材、冬には暖かみのある正絹や縮緬などが用いられます。それぞれのアイテムが季節ごとに適した素材や色彩に分かれているので、着物全体のコーディネートが統一感を持ちます。
素材も季節に応じて変わります。夏には涼しさを感じる麻や絽、
冬には暖かさを保つ正絹やウールがよく使われます。
快適に着るために素材の特徴を理解しておくと便利です。
着物には四季を象徴する草花や動物の柄があり、コーディネートには季節感を取り入れることがポイントです。
例えば、花の柄は実際に咲く1か月前から着るのがおしゃれとされています。
シーズン真っ盛りの時に本物の花と並ぶと、描かれた花が見劣りしてしまうと考えられるためです。
しかし、「季節に合わないものを着てはいけない」という厳しいルールではありません。
雑学的に楽しみながら、自分のスタイルで着物を楽しむことが大切です。
草花の柄は、季節感を表現する代表的なモチーフです。季節先取りのコーディネートで、より魅力的なスタイルを作り上げましょう。
月 | 柄 |
---|---|
1月 | 松竹梅、干支文様、宝船、雪持ち文様など |
2月 | 梅、椿、蘭、桃、水仙、霞など |
3月 | 桃、蝶、菜の花、桜、藤、菖蒲、霞、人形など |
4月 | 桜、牡丹、柳、流水、霞など |
5月 | 紫陽花、若竹、流水、雨、花鳥など |
6月 | 紫陽花、百合、雲、雨、海など |
7月 | 朝顔、夏草、睡蓮、流水、雲、波など |
8月 | 雲、波、水、祭り模様、秋の七草模様 |
9月 | 秋の七草模様、菊、すすき、月、笛など |
10月 | 菊、銀杏、紅葉、木の実など |
11月 | 木の実、野菊、実もの、雁、枯葉散らしなど |
すべての季節で着用できる柄もあります。例えば、桜や四君子(蘭、竹、菊、梅)が代表的です。これらは一年を通じて活用でき、着物を選ぶ際に便利な柄といえます。また、種類が特定されないデザイン化された草花柄も通年使用に適しています。
▼四君子柄
色合わせも着物コーディネートの楽しみのひとつです。夏には涼しげな寒色を、冬には暖かみを感じる暖色を取り入れることで、季節感を演出できます。色と小物を工夫することで、無数のアレンジが可能です。
着物は四季を楽しむ日本の文化が詰まった衣装です。最初はルールを覚えるのが難しいかもしれませんが、少しずつ季節ごとの素材や柄、色合わせに慣れることで、その奥深さと楽しさを実感できるでしょう。ぜひ、自分なりのコーディネートを見つけてみてください。
また、弊社着付け教室では、着付け技術だけでなく、コーディネートや着物の楽しみ方も学べます。
詳細はこちら